国際支援の世界

2010/02/24

アフガン駐留の賛否でオランダの政権崩壊

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

オランダの政権が崩壊しました。

アフガンからの撤退を求めた労働党の賛同を得られなかったから。

国際貢献の方針次第で内閣崩壊とは、国運をかけて派兵していた、といえるかもしれません。オランダは、90年代にも、旧ユーゴで民軍協力ができていなかったという批判で、内閣が崩壊しています。

国運かけたくないから関わらない日本と、対照的です。

岡田外相が決めた5年間で5000億円のアフガン支援。「くれるなら代わりに駐留するよ」と、ほしい国はたくさんあるでしょうね。

でも、5000億円をどうやって使うのでしょう。その後、一切話が出てきません。あのクラ~い顔を見ると、誰でもため息を一つ入れてから会談に臨みたくなるのではないかしら。

オランダのバルケネンデ首相の思いつめた顔が、少し気になります。

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2010/02/23

暗殺実行犯の映像

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

月曜日、原稿を入れほっとして、ぼんやりとインターネットを見ておりました。

Webで奇妙な動画を見つけ、何度か繰り返してみました。

それは、ドバイのホテルで、イスラエルのモサドがハマスの司令官を暗殺し、犯人た
ちがそのホテルと空港をうろつく姿をずうっと追って録画しているのです。監視カメ
ラから映像を撮ったようです。

暗殺のプロフェッショナルが、変装したり、飛行場で荷物を何気なく交換し合った
り、通信機器で連絡を取り合っている姿を捉えていました。まさに映画のようです。

常日頃から、武力攻撃を仕掛けあっている国同志ですから、実行者たちはよく訓練さ
れ、用意周到です。

ドバイ政府は、自分たちの領土でこんな国際犯罪をされて黙っていることはできない
でしょう。だから情報を開示したのでしょうが、犯行後世界中に散らばった犯人たち
の行方が、気にかかります。

一人は香港に来ていますからね。その後は、日本に来る?

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2010/02/07

ハイチ派遣国際救援隊

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

昨日、市ヶ谷の防衛省で、ハイチに派遣される国際救援隊の隊旗を授与する式典を取材してきました。

いつもならば、防衛関係の取材陣だけが顔を合わせるところを、今回は総理付の記者も加わったので相当な人数でした。場所取り合戦から始まり、何を観ているかを互いに意識しあうなど、2階の記者席はごった返していました。

後ろから自衛隊員を見る位置でしたが、隊長の山本一佐は力まずに、すうっと立っているように見えました。左右シンメトリの姿がわずかに味を出しているのは、ベレー帽の角度だけ。いえ、シンメトリだから、ベレー帽がカッコよく見えるのでしょう。

ほかの隊員たちも皆、肩の辺りの筋肉が盛り上がり、ウエストに締めたベルトがくっきりと見えていました。ベルトが食い込む無駄肉がないということですね。

これまでずいぶんと各国の軍人を見てきましたが、その後姿で私は大体、彼らの鍛えられ方、自分への厳しさが見て取れると思っています。今回派遣されるのは中央即応集団隷下の精鋭部隊です。この精鋭を、よく出したなあと思います。ジブチにも中央即応集団は出ています。スーダンには2人。

儀仗広場で総理と一行を待ち構えているとき、強風で体が飛ばされそうでした。意図せず、記者皆でペンギンみたいに固まってしまいました。これでずいぶん違うのですよ。

一行を見送るとき、総理が一番最後まで拍手をしていて、ああ、この方は「いい人」なんだなあと思いました。宰相と言うより、隣の気のいいおじちゃんタイプなのではないかしら。
 
さてさて。拍手もせず、間近で一行を見ようとカメラの合間から顔を出していた私。刹那、山本隊長の顔を正面から見ることができました。写真では見たことがありましたが、直に見ますと、米軍のアフガニスタン司令官、マクリスタル将軍と似ていました。日々の生活において一切の無駄がないことで有名な方です。

後姿とあわせて、隊長の何かが見えたような気がしました。

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2010/01/18

山内康一さんに期待する声続々と

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

先週日経ウーマンオンラインでご紹介した、山内康一さん。みんなの党の国会対策委員長であり副幹事長。知人たちが「山内さん、いいねえ」「是非、援助省を作ってほしい」と言う趣旨のことを異口同音に言ってこられます。

皆、親しみをこめて「さん」付けで読んでいます。

私は思うのです。政治家は顔が大事だと。

信頼するに年齢は関係ありません。山内さんは変わらぬ風情で、いつも落ち着いています。

以前別の方の『国際協力最前線』で書いたことがありましたが、風貌に落ち着きと明るさがあることが、援助する側の大事な要素です。受益者はその顔を見て、自分たちがどう見られているかを感じ、援助する側の人間性を推測するのです。つまり、「援助」の質をそこに見出すわけです。

顔が美形かどうかではありません。顔つきです。

政治家も同じですね。政治家の仕事の質を、部分的ですが、政治家の顔が表している。
私は、声もまた大事な要素だと思っています。

業界の皆さんが山内さんの声とお顔を間近に感じられる機会を作れないものかしら。

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2010/01/17

ハイチの国連ミッショントップ3死亡

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ハイチで地震があり、各国が支援に乗り出しています。

今朝、ハイチミッションのトップ3が建物の崩壊に巻き込まれてなくなったと報道がありました。

大きなミッションではないけれども、DDRを中心とする面白いマンデートを掲げているミッションです。トップがなくなるとは、かなり現地で働く職員にも痛手でしょう。

現地は銃社会だし、政情不安と社会不安が相当あると聞いています。そこへもってきて、南アフリカに逃亡していた前大統領が帰国するとか。これでさらに混乱がくるのではと、案じられます。

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2009/12/19

パキスタン地震のとき

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

2005年10月8日に、パキスタンで地震がありました。

震源地はカシミール地方で、紛争地でもあります。人道支援が必要なとき領土紛争などありますと、支援を受入れるかどうかでもめるものです。このときも、両国政府はずいぶん日数がたってから救援の協力体制を築く協議を始めています。

さて、当時、日本のNGOも複数現地入りして支援を始めました。

そのなかのひとつのNGOは、現地住民に、地震のメカニズムを教え始めました。
これは結構よい案だと思いました。

なぜ地震が起きるか知らないために、人々は、神様が怒っておられると思い、眠れない、むやみに移動しようとする、と、精神状態が不安定になるのです。普段から「科学」に接したり、教育で科学的な考え方を身につけたりしている人々ならば、冷静に対応できることでも、かの地ではそれは無理です。

むやみに怖れず、自分が住んでいる地球の構造を大雑把に知ることは、現地の人には驚きだったことでしょうが、新しいことを知って好奇心が沸いたようでした。

ただ、死の恐怖と引き換えの好奇心は、持たないほうがいいに決まっています。小さな家に住む現地の人々の恐怖がいかばかりか、私の想像を超えています。

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2009/12/03

ドバイの写真4

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ドバイの金融センター。

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ドバイの写真3

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3月のドバイは、建設中断中でも、掃除人がいるところはまだ建設続行意欲があった

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ドバイの写真2

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今年3月は、こんなのばかりのドバイだった

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ドバイの写真1

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今年3月のドバイ。建設現場が無残に放り出されていた

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2009/11/28

ドバイの信用不安

ドバイ発信の信用不安が世界中に回っています。
3月にドバイを訪れたとき、大規模な工事が止まったり、縮小したりと、その傷は散見されました。

それでも私が会ったソマリア人たちは楽観的で、いつまでもこんなことはないと、いっておりました。紛争国から来た彼らにとって、ドバイは天国。治安は完璧、自由、世界中の文化と学術機関が集合する都市です。確かに、人をひきつける魅力で満ちていました。
「スズカもここに住んだらいい」と何度言われたことか。

何がドバイを発展させたかといえば、私は「自由な市場」だったと思っています。「反米」スローガンはなく、不穏分子は武器を携行できず、市民は遊びたいときには遊び、勉強したいときには勉強できる、投資と消費と貿易が楽しめる法的整備と情報の均衡がありました。なんとなく、空気が神奈川県のそれと似ていると思ったものです。

ドバイが気がかりです。

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2009/11/13

いい言葉

日本人のスポーツ選手が、「子どもたちに自分の経験を伝えたい」などと引退に当たって述べますが、それを聞いた外国人の知人が、「彼女は誰の子どもに技術を教えたいのか」と私に訊ねました。「次世代の、と言う意味でしょう」というと「ヘエー」という鈍い反応でした。

日本人は「子ども」が好きです。

「可哀相な子ども」と聞くと、すぐに財布を開く日本人。
マニラのスラムに行けば、日本人の訪問者には子どもの話を、カナダ人の訪問者には病院の話を、北欧の訪問者には保健の話、アメリカ人には地方行政の話を話してくれます。そう、寄付を募るために使い分けているだけのことです。

どこ国でもどの組織でも、寄付を集めるための「いい言葉」は必要で、日本では「子ども」が利用されています。「いい言葉」とは、「便利な言葉」と言う意味です。

でも私は、次世代を育てる大切さと、育てている現役のお母さんお父さんたちを支える仕組みは、絶対に必要だと思っています。日本の社会保障制度ではここが手薄なのに、なぜか、寄付行為となると「子ども」に弱い・・・。

国際NGOの中には、あえてポスターには明るい笑顔の子どもの顔写真を使うところがあります。もちろん、涙目の子どもの写真を多用する組織も。使われている写真に、その組織の姿勢が現れていて、興味深いです。

日本人も途上国に「いい言葉」を浴びせています。

それは「貧困」

インドで現地の記者に「貧困削減のために日本がこの事業をします」といったところ、記者が怒り出し、「貧しい人はいるがそれは国内問題だ。外人に指摘されて喜ぶインド人などいない」と反論してきました。

貧しいことは本人たちには恥ずかしいことだと、アマルティア・センが述べています。私たちは自分が良いことをしていると酔いしれているに過ぎないのです。

ですから、受益者たちが「貧困削減事業」などと言うときには要注意。プライドを捨てれば、支援が手に入ることを知っている人たちです。カンボジアでそういう政府関係者に会って、これはいけない、と思ったことがあります。

「貧困削減」も「可哀想な子ども」も、日本の納税者対策、募金集めの言葉だと割り切ったほうがいいと思います。

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2009/11/04

人脈はこう築く

私は今年に入ってすぐソマリア行きを決断した。無政府状態に入ってすでに18年。オバマ政権を脅かすテロリストがすでにアフガニスタンからソマリアに多数入り込み、ソマリアはテロの最前線にある。海賊で世界を驚かせている背景には、そんな無政府状態と人道支援の欠落とがある。と思ったのである。

机上調査で現状を調べると同時に、私は政治、援助、セキュリティ、資源の分野でソマリアに関連するトップとの面談を求めた。この4分野は、私が20年間の経験で得た、途上国を見るときのキーワードだ。すべての権力はこの4分野に通じている。4つのすべてを握る人がいれば、それは非民主主義国。民主主義国では権力は細分化されているが、それでもトップ同士は大いに顔見知りだ。いずれかの分野の権力者と会えれば、すべての道は開けると、確信していた。

4分野には、すでに私は通じていた。自腹で外国のセミナーなど出席をして、各セッションで必ずといってよいほど手を上げて発言してきたからだ。そうすると、セッションあとのコーヒーブレイクで必ず、個人的な意見を話しに近寄ってくれる人たちがいる。こうして、実際にあったことがあるのはわずか1回2回であっても、私の考えや背景を皆、覚えていてくれた。

帰国後開始した連載では、掲載記事を英訳して、順次、取材に協力してくれた人たちに送った。

予想通りというべきか、私の原稿に意見を述べる未知の人が現れた。米国在住の英国人J氏だった。米国で30数年、独自のニュースを大手メディアや企業に配信し続けている。J氏は、私の記事へのコメント共に、「ソマリアの海賊はすでに、こういうルートでアル・カイーダと手を結んでいる。武器は旧ソ連製の何と何をこの値で買った」等の情報を含む自分の記事を送ってくれたのだった。御歳83歳だという。
さて、それが新たな私の人脈になった。毎日朝晩、インターネット電話で話すようになった。ソマリアのみならず、世界各国の防衛、外交、貿易、犯罪、感染症などまさに国境を越えて広がる課題を負っていることでは、私も彼も同じである。1ヶ月もすると、情報源を共有しあうまでになった。まさに「脈」である。J氏の次にA氏と、次々に人は連なっている。

氏の言動には明らかな特長がある。マメに電話をかける。私の意見を認めた後で「こういう意見もあると思うが」と、異論を述べる。「元気?声の調子がよくないよ」と、気遣いを見せる。写真とビデオを交換したがる。そして、仕事と関係なさそうな雑談をよくする。

83歳まで現役でジャーナリズムを実践しているだけに、人脈を世界中に持ち、彼らとのエピソードをよく記憶して、当時と今とを比較しては「ここが変わったのは何が原因だろうか」と、私と議論をするのである。

諺の「犬も歩けば棒に当たる」とは、ネットワーキングを意味しているのでは、と思うに到った。それは,誰かと知り合いになることではない。まず、自分の意見を持つこと、それを相手の言葉に巻きつけたり、相手の言葉を自分のそれに巻きつけたり、影響を与え合うことだ。興味ある人物との付き合いをこまめに維持管理する。その手間隙をどんな時にも惜しまない。目先の忙しさにかまけがちな日本人がネットワーキング下手になるわけである。

※このコラムは、国際フレンドシップ協会発行の「the COMMUNICATOR」11月号に掲載したものです。

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2009/10/30

ラビア・カーディルさんへのインタビュー

22日にブログで書いた、インタビューの方法が変わったと言う話は、水曜日に日経ビジネスオンラインで発表したラビア・カーディルさんへのインタビューでも発揮できたと思います。

「あなたはCIAと米国議会の支援がいつまで続くと思いますか」
「米国は、中国がアフガニスタンに出てくるなら、その代わりにウイグルのことは目を瞑ろうとするのでは」

私はこれらの質問をするとき、彼女が席を立つこともあるだろうと半ば予想していました。しかし、彼女は立ちませんでした。彼女は、通訳に少し顔を向けて声の調子も変えることなく短く答えていました。
私はじいっと彼女を見つめ続けました。すると、ふと彼女は私に顔と体をむきなおして、にっこりしました。

ああ、なんと、したたかな人だろう。
中国で鍛えられた対処術かもしれないな、と思いました。
私も、にっこりしました。

俗な伝説ですが、日本人と中国人、韓国人を見分ける方法があります。その人をじいっと見つめるのです。視線をそらすのが日本人、怒るのが韓国人、にっこり微笑むのが中国人。
その伝説どおりでした。

それとも、私の目が純粋無垢に輝いていて見惚れたから?
そんなアホな、ね。

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2009/10/28

日経ビジネスオンラインにてコラム公開

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

日経ビジネスオンラインにてコラムを公開しています。

本日10月28日(水)公開の記事は、ウイグルの母「チベットは先に国際ステージに立った」です。

吉田鈴香の「世界の中のニッポン」では、みなさまから、数多くのご意見をいただいております。

私の所感をぜひご覧ください。そして、ぜひコメントをお寄せください

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2009/10/20

近況

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

更新の間合いが長くなってしまい、怠け癖でもついたかと、自分を叱っています。

実は、最近興味を持って調べていることがあります。

パキスタンとアフガニスタンの国境線沿いの治安状況。同様に、イランとパキスタンの国境付近。

日本の新政権が取り組む公共事業削減とJAL問題、インフルなどの緊急対策。

一日中資料を読んだり知人と話したりしているうちに時間は過ぎ・・あら、もうこんな時間。となってしまいます。

明日は、面白いインタビューを予定しています。内容は日経ビジネスオンライン(NBO)で来週にもご報告できると思います。

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2009/09/29

「国際協力最前線」を始めて丸4年、「世界の中のニッポン」を始めて丸1年がたちました

こんにちは!吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

日経ウーマンネットで「国際協力最前線」を始めて丸4年がたちました。

前の名前、「国際協力を仕事にした女性たち」を始めたのが、2005年10月号からでした。当初は編集長との約束で女性と男性を両方取り上げる予定だったのが、担当編集者の意向で女性に限定され、2008年末までそれを続けました。その後、2009年からは男性も同様に登場していただけることになり、人選の幅が広がりました。この9月で、連載開始から、丸4年がたちました。

日経ビジネスオンライン(NBO)で連載をさせていただいたのが、昨年の9月からです。こちらも1年以上たちました。すでに40本のコラムを書きました。国内外の政治と経済を、幅広く自由に書かせてもらっています。

4年前のほうが、私は国際協力漬けの毎日を送っていました。ジャーナリストという職種ではなく、「開発と紛争」という分野で生きることを提唱してもきました。ですから、ジャーナリスティックな批判をすることもあれば、コンサルタントや研究者のような調査ペーパーも書いてきました。しかし、職種で人を見る慣わしの人たちからすると、特に若い人がそう思い込んでいるようですが、私の職業観が理解できないようでした。「吉田鈴香はジャーナリストだから用心して付き合おう」と、仲間内で言い交わしているとの情報が耳に入ってきます。

私は、若い人だから柔軟な考えができる、とは全く思いません。むしろ、その逆です。苦しんだ経験がない分、「こういう考えがあってもいいのでは」と異論を思いつく経験もしていませんから、固定観念が強くなるのです。それも、誰に教わったか記憶がないような、観念、偏見です。

ああ、そういえば、今月は自衛隊の訓練参加と風邪で「国際協力最前線」の取材をしていなかった。お願いしたい人は海外にいることが多くて、スケジュールが合わないことが多い。

今月はさて、どうしようか。

うーん、あの方に連絡を取ってみよう。

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2009/09/15

帰ってきました

お久しぶりです!吉田鈴香です。

陸上自衛隊国際教育活動隊での訓練から、11日に帰ってきました。

疲れました。

朝は若い自衛官がランニングする声で目が覚め、5時半には起きました。消灯は11時ですが、実際にはデスク灯をつけてパソコンに向かうこと12時過ぎまで。ラッパの音で様々な合図が送られてきます。ラッパの音は起床、国旗掲揚、就寝など目的によって音が違います。

自衛官は背中の筋肉の盛り上がり方が一般人と明らかに違います。鍛えているのがよく分かります。

驚くことばかりでした。

疲れました。

こういう日々を送っている彼ら彼女らはやはり、タフです。

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2009/08/10

ソマリア情勢:出国

こんにちは!吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリア関連の話題です。

土曜日、ようやく族長はソマリアから緊急避難しました。

緊急避難を企図してから1ヵ月半です。族長としてやらねばならぬことを果たしてから出国できました。族長も、彼の家族も、また私も安堵です。

しかしこれからが大変です。

物理的に離れた距離にいながら、どうやってソマリアに指示を出すか――電話です。
国を離れても母国の人々のために尽くそうと、電話をかけてばかりいます。電話はしかし、彼の所在を周囲に伝える可能性を持っています。

電話がもたらす幸いと災い、そのどちらも受け入れる度量あってこそ、電話を使いこなせるのだなあ。紛争地で電話がもたらす“コミュニケーション力”を、改めて感じます。

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2009/08/06

ソマリア情勢:ソマリア復興への道のりは?

こんにちは!吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリア関連の話題です。

今朝、族長と話していて分かったことがあります。
わたしがベルギーのある人物から紹介されたソマリア人ジャーナリストは族長とも知り合いでした。世の中狭いですからそれはよくあることとして、私がジブチで族長と別れた2時間後、同じホテルの同じロビーで、族長とこのジャーナリストとが会って話をしていました。ジャーナリストを守るために族長も協力をしていたのでした。

族長が私の仕事に理解と敬意をもっていることはしばしば感じます。

今朝、なぜソマリア人ジャーナリストの話になったかといえば、彼がこう言ったのです。

「ソマリア在住の80%のジャーナリストはテロリストのプロパガンダを流している。さもないと、拷問、拉致、虐殺、暗殺される」
となると、国外へ避難するか、現地に残ってプロパガンダを流すか、二つに一つしか方策はなくなる。

「ジャーナリストは、現地の人間のリーダーだ。代弁者だ。だから敬意を持たねばならない。だけど、いまソマリア人ジャーナリストが信じられないから現地社会が混乱する。自分が住民たちに、国連とは何か、UMISOMとは何か、説いている。スズカはモガディシュの北部住民にとっての国際社会の窓なんだ」

族長は時々、哲学者のような名言を言う。

ソマリア復興への道のりは、ジャーナリズムの復興から始まる。いや、そうしなければならない。

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2009/07/31

ソマリア情勢:消えた報道

こんにちは!吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

ソマリアではジャーナリストは暗殺のターゲットにされ、壊滅的な被害を受けています。
そんな中、今週月曜日、新華社通信ソマリアに勤務する二人のソマリア人の動画が、グーグルで掲載されていました。Somalia: Reportersというタイトルがついていました。

変だな、と思いました。
命が危なくなることをどうしてやるのかな、と。

翌日、ヨーロッパの仲間から「先週、中国政府がモガディシュでアル・シャバーブと会合を開いた」と情報が入りました。

それが初の会合なのか、政府が来たのか“民間人”が来たのか、不明です。真偽も不明ですが、過去の実績から見て確度が高い情報です。

ソマリア人リポーターが顔を出して話す動画が流れたことと、この会合がむすびつきました。このソマリア人はアル・シャバーブの護衛を受けている。だから顔を出せたのだ、と。

ところが、月曜日に見た動画を探してももう消えてしまいました。
とっておけばよかった・・・

そして、国連安保理での会合で、中国がエリトリアをかばっている一件。
石油の利権を得るためには、本国の通信社を仲立ちに使ってテロリストと会い、スタッフの護衛をまかせるのか。そういう国がアメリカと共同声明を出している。それも、内容自体はよいものでした。

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2009/07/23

ソマリア情勢:AMISOMとアル・シャバーブ激突

こんにちは!吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

昨日朝から夜8時まで、アル・シャバーブとAMISOMとがモガディシュ南部で大きな戦闘を行いました。特に午後の戦いはすごかったそうです。

死傷者数は夜の段階で明らかになっていません。

実はAMISOMはより攻撃的なマンデートNo.7に移行しようと族長らと計画していたところでした。それが、この攻撃を受けたことでNo.6のところで足踏みをしています。

どこかで情報が漏れたのでは?と私。

誰がもらしたか特定はできない、と族長。

族長は実は、ソマリアで初めてアル・シャバーブと交戦した人です。アル・シャバーブの戦い方を熟知しています。ですから、AMISOMには大事な情報源でありアドバイザーです。

敵は意外なところに潜伏しているのかもしれません。

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2009/07/18

陽と共にあらぬ人間の時間

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアと交信するようになって以来、しみじみ思うこと。

それは、陽が高く上っていない時間こそ、彼らの陰謀と行動とが採られる時間だということです。

陽が高いと行動は人の目に付きやすくなる。

人目につかないよう行動したい人々は、陽が高い日中の午後2時から夕方5時くらいまではひっそりとしています。そして、6時になると、バンバン撃ち合ったり、交渉開始したり。

しかし、その弊害として睡眠時間が、細切れになります。これではソマリア人は長生きできないのでは? 平均寿命が40歳というのも分かります。もちろん戦争と水、栄養の不足が主因ではありますが。

ソマリアでは、いわゆる丑三つ時は働き盛りの時間帯のようで、大事な人同士が訪ねあっているようです。それはちょうど、日本時間で新聞屋さんが配達する早朝になります。我が朝は、したがってこの3ヶ月、ソマリアのニュースで目を覚ますことになりました。

ところで、日本女性の寿命はまた延びたようです。86歳! ソマリアと比べると、枕を高くして眠る人が多いのかな?と、思ったりしています。平和であることの恩典です。

私は80歳まで現役でジャーナリストを続けるつもりでおりますが、それをおえたら、さっさと寿命を尽きてしまいたい。
眠気と戦いつつ、今も机にしがみつきながらキーボードをたたいております。

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2009/07/17

ソマリア情勢:人質を分けあうテロリスト

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

昨日早朝、アウェイスとアル・シャバーブは交渉し、人質2人を1人ずつとることにしました。アル・シャバーブは早速1人を持ち帰りました。しかし、夕方5時になって、「もう一人よこせ」と、アウェイスに言いました。

アウェイスは断りました。
アル・シャバーブは「よこさないなら攻撃する」と、言いました。

アル・シャバーブの手の中にいる人質はまだ存命のようです。

もうひとつ、動きがあります。

シャリフ大統領とAMISOMの司令官、政府軍の代理人が昨夜深夜、族長を訪れ、政治上、軍事戦略上の助言を請いました。日付をまたいで話し合いは続いたそうです。

彼らは族長が金曜日に緊急脱出する情報を聞き、そばにいてほしいと願ったそうです。大統領が自ら望んだのではなく、AMISOMの司令官が大統領を動かしたようです。暫定政府とはいえ、一国の大統領ですから、自分から言うわけがありません。

族長は、いいよ、予定を延ばすよ、と受けたそうです。

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2009/07/16

ソマリア情勢:アウェイスとアル・シャバーブの人質をめぐる対立

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

アウェイスとアル・シャバーブが人質の処遇をめぐって対立しています。

アウェイスは身代金が欲しくて拉致、監禁しています。しかし、ゴッダニをリーダーとするアル・シャバーブは、即刻亡き者にしたい。そのようにアル・カイーダのNo.2から指令が出ています。アル・シャバーブはアウェイスに引渡しを求めましたが、アウェイスはこれを拒んでいます。

アウェイスは既にフランス政府と交渉をし、300M$(300億円弱)で合意しているそうです。

アル・シャバーブはアウェイスの陣地に兵を送り、陣地の周囲を固めました。必然的に、アウェイスが篭城したような格好になっています。

もしかすると、フランス政府は二つのグループが仲たがいをすることを見越して身代金を提示したのでしょうか。

ソマリアは現在、アウェイスの陣地以外はひっそりとしています。他の戦闘に兵士を配分できるほどいない、ということでしょうか。現地のメディアもこの問題一色だそうです。皆、固唾を呑んでみています。

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2009/07/15

ソマリア情勢:フランス軍大佐、中佐を人質に

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

アル・シャバーブが、昨日(7月14日)朝7時ころ、フランス軍大佐と中佐を拉致、人質にしました。大佐と中佐は、ソマリア政府軍への研修プログラム実施のため先遣調査に来て、モガディシュ南部のホテルに滞在していました。

フランス軍は黙ってはいないと思うのですが、アル・シャバーブがどこに彼らを連れて行ったか場所の特定ができないため、救出作戦をしようにもできません。

今夕、AMISOMはアル・シャバーブを攻撃する予定です。AMISOMに仕えるソマリア人と政府軍と族長とがまもなく会合を開き、AMISOMに助言を与える手筈になっています。

小火器しかもっていないアル・シャバーブにこんなに手こずるのは、本気でソマリアをテロリストから守ろうとしない国際社会のせいだと思っています。

AMISOMは全ての武器を持っているそうで、先日の攻撃では1時間で大統領府一帯をきれいにできたのですから、要員と武器が揃っていればアル・シャバーブは身を隠すところもなく終わるはずなのです。アフガニスタンは山や洞窟がある国ですが、ソマリアは比較的平地です。

今後の行方を注視して行きたいと思います。

※AMISOMとは、ソマリア治安機構及びアフリカ連合ソマリア・ミッションのことです。

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2009/07/13

ソマリア情勢:AMISOM、アル・シャバーブと激突

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

昨日書いた、アル・シャバーブが大統領府を取り囲むのでは、と言う話ですが、現実になりました。

昨日早朝6時前、とうとうアル・シャバーブは大統領府を取り囲みました。そこで、AMISOMがこれを迎撃、押し返しました。午後3時、AMISOMは引き上げました。

ところが、午後5時、アル・シャバーブが攻撃を再開。

今日午前0時を回った時点で、再び大統領府を囲んでいます。

私が連絡をもらったのは、その直後です。

私は起床して間もない時間でした。

今回の戦闘で、アル・シャバーブは40人以上が亡くなりましたが、米国出身のテロリスト、アメリヒ(本ブログでも名前を書きました)が戦死しました。米国にいる彼の家族はどう思うでしょう。

シャリフ大統領は沈黙したきり、国際社会に何ら言葉を発しません。

どうやら彼は首相を交代しようとしているようです。

首相の首を代えても、意味は有りません。今、大統領がせねばならぬことは、アル・シャバーブを撃沈させるために先進国の友軍を募ること、至急にAMISOMのマンデート拡大実施を訴えること、国際社会からの外交団の周辺国派遣です。難民を乗せる船をモガディシュ港に横付けてもいいはずです。人々は家の塀の中で身を潜め、食糧も水も底をつき餓死者が出ています。

国際社会を味方につけられずに殻に閉じこもっている大統領を、大統領の力量ある人物とは誰も思いません。

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2009/07/12

ソマリア情勢:政府軍司令官の戦死

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です

ソマリアの現状をお伝えします。

昨日土曜日、政府軍の司令官、Nur Bakleが戦死しました。
非常に勇敢な人だったそうです。
これによって、政府軍はかなりの精神的ダメージ、司令塔をなくした戦略上の弱さが出てしまいました。

昨日の段階でアル・シャバーブは大統領府まで500mに近づきました。
今日(日曜日)の明け方には250mかそれ以上に接近するだろうと。このブログがアップされているときには、すっかり大統領府は取り囲まれているかもしれません。
しかし、大統領自身は大丈夫です。AMISOMが守ってくれていますから。

大統領は木曜日に帰国しました。
私は、シャリフ大統領はスーダンのバシール大統領のところに行ったきり戻らないのでは、と思っていたので少し驚きました。

そうして、戦闘は土曜日にこの上なく激しくなりました。この間、アル・シャバーブとアウェイスの仲たがいの噂もありましたが、それは間違いでした。

族長はもう逃げ込む先がなさそうです。
疲れ切った声で
「スズカが言っていた、海軍の艦長が兵士を逃がしたあとで船と共に沈む話、時々思い出すよ。でも俺は死なないよ」
と、言っていました。
だから早く出国しなさいと言ったのに。

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2009/07/08

ソマリア情勢:毎水曜日が攻撃激化の日

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

今日は水曜日です。

アル・シャバーブが攻撃を激化させる日です。

アル・シャバーブは初期段階から必ず水曜日に攻撃を激化させる法則があるそうです。その代わり、月曜日は静か。

この月曜日には、モガディシュの大統領府に残っている首相以下閣僚全員に投降を呼びかけ、全員をイスラム法に則って裁判にかけて死刑にする、と宣告しました。もちろん、首相たちは受入れるわけもありません。「どうかしている」の一言でそんな呼びかけは無視です。

しかし、その「無視」がもたらす意味を、きっと、アル・シャバーブは攻撃にこめることでしょう。

ところでこのアル・シャバーブ、なぜ水曜日を攻撃デーに定めたのでしょう。

現地の噂では、占い師のインド人(夫婦)が助言をしたのだそうです。水曜日がいいと。長くて白いひげを持っている、80歳過ぎの男だとか。

ニュースはもちろん、サッカーも映画も悪いからとアル・シャバーブからメディアを禁じられている現地の人たちは、こんな噂で会話を成り立たせているのでしょうか。衛星放送のアル・ジャジーラとBBCが情報源なのだそうです。敷地内にこっそり立てたアンテナで情報を見ているソマリア人。情報は心の命脈のようです。

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2009/07/02

ソマリア情勢:アル・シャバーブ将軍射殺

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

日本時間の今朝入った情報で、パキスタン出身のアル・シャバーブの将軍1人を、族長の配下の者が射殺しました。

パキスタン出身の将軍が2人いるのですが、そのうちの1人です。遺体とその部下2人を大統領府に突き出しました。

これによって、アル・シャバーブの戦線は大きく後退し5kmも下がったようだという話でした。兵士の数にすれば1000人分一気に亡き者にしたに等しいとか。

昨日午後1時から午後8時までかつてない激しい戦闘が続いたそうで、今日も夜明け前から現地は緊張が続いています。

昨日からシャリフ大統領はリビアでのアフリカ連合会議に出かけており、政府軍は引き気味でしたが、氏族の兵がこれを補っています。

現地時間の今日、アル・ジャジーラなどメディアを呼んで取材を受け付ける予定でいますので、まもなくメディア報道されるでしょう。

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2009/06/25

ソマリア情勢:報道されないニュース

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

おととい、フランス軍がやってくる話を書きました。
月曜日にAFPが出した記事でしたが、ソマリアでは全く報道されていません。

治安相が自爆テロで亡くなる直前、フランス軍からトレーニングを受ける話が決まりました。そして、自爆テロがあり、治安相と警察庁トップが亡くなりました。このニュースを知っていた人たちは、つまり、その場で亡くなったのです。

フランスは週明けに、派兵の約束があったことを公式に発表し、ソマリア政府の準備が整い次第行くとメディアを通して告げました。しかし、以後、ソマリアで報道されることなく、現在に至っています。

シャリフ大統領は周辺国に援軍を頼んでいますが、どこもきません。資金がないからでしょう、そして、本当にソマリア大統領が応援して欲しいのか疑問に思っているのでは? シャリフ大統領は先進国には応援を頼んでいません。「国際社会に応援を頼みたい」とはいっていますが。

大統領はかつてイスラム法廷連合のメンバーでした。そこで、現敵のアル・シャバーブ、アウェイスと同士でした。最近、大統領は某国から中古の武器・弾薬を輸入しました。
一方、アル・シャバーブには新兵が続々、国内から補給されています。

大統領は大変ご機嫌な様子で、にこやかに笑い、やる気いっぱい過ごしているそうです。
政府内の意見が割れている理由、大統領の機嫌がいい理由、フランス軍派兵のニュースがない理由、その関連を考えなければなりません。

もしかすると、私はいつしか大統領の敵方になっているのかもしれません。

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2009/06/23

ソマリア情勢:フランス軍がやってくる

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアの現状をお伝えします。

昨日、AFPの報道でフランス軍が「訓練」の名目でソマリアに向かうと伝えられました。

ソマリア側の体制が整い次第、とあるので、いつかはまだ不明です。

今月4日に、拓殖大学で私が言及したとおりの展開です。私的な予想ですが、と前置いてお話しました。周辺で展開する先進国はフランス軍だけですから。フランスが来れば他の軍も参加しやすいでしょう。数カ国が集まって「演習」をすればいいと思います。

このニュースを、今朝、族長に言うと「希望が見えた」と喜びました。銃声ばかりを聞いて、ニュースを聞く余裕がなかったのでしょうか。

銃声といえば、昨日と今日(まだ現地時間の2時ですが)は静かだとか。「兵は疲れたんだろう。とすると、明日、またぶり返す」と、族長。そうです。明日以降が問題です。

暫定政府はAMISOMに守られているので、民のことを考えていないのか、モガディシュから動こうとしません。

しかし、それは公式見解で、実際には違う本音が随分とナイロビに伝えられています。ナイロビとは、ナイロビにある、UNPOS(United Nations Political Office for Somalia)です。

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2009/06/21

ソマリア情勢:治安相の暗殺は103人を道連れに

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

今日は日曜日なため、海外メディアもほとんどソマリアについて新しい報道を伝えていません。

ここで、国内外のメディアで報道されていないことを書きます。

18日に起きた、Minister of Securityの自爆テロによる暗殺ですが、大臣を含め103人の死者が出ています。けが人はなく、全員死亡なんです。いかに爆発がすごかったかが、これで分かります。

19日の早朝、(現地時間夜中の2時過ぎ)、現地から入った連絡では「22人死亡、23人重傷」でした。しかし、1日たってみますと、そのホテルにいた全員が爆死しました。

私が日経ビジネスオンラインで書いた「オバマ政権のアキレス腱はソマリアか?」のとおり、もう世界のテロの主戦場は、パキスタンでもアフガニスタンでもなく、ソマリアに移っています。

メディアの中で、アル・シャバーブを「ゲリラ」と表記することがありますが、それは間違いです。ゲリラは軍なので国際法の摘要がなされますが、テロリストは犯罪者ですからジュネーブ条約の適用外です。

アル・シャバーブは「テロリスト」です。ゲリラなんかではありません。

彼らは国際法の適用を受けたいためにそう名乗るかもしれませんが、それにのってはいけません。国際法と国際関係論を学んだことがないメディアが恥ずかしくもだまされているのです。

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ソマリア情勢:かろうじて生きる

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

昨日ブログを書いてから、夜(日本時間)になって、ソマリア政府は24時間以内の派兵を隣国に求めました。ここで過激派イスラムのアル・シャバーブを食い止めないと、周辺の国々もやられるよという警告つきです。

しかし、エチオピア軍が国境近くに来ただけで、モガディシュまで来ません。他の国も見て見ぬふりです。仕方ないでしょう。どこの国もそんな余裕はありません。

まだ持っているのか、が今朝の私の感想でした。

いつまで持つか、秒読みです。

とりあえずの避難をするにも、日曜日は国連も休日なので動きにくい。昨日の段階で、亡命と避難の情報は国連には届いていないようでした。

日本を含め、国際社会がソマリアに無関心なのは残虐な映像がないからでもあるでしょう。

現地にもジャーナリストはいます。

いるのですが、映像を撮るために近づくことは、現地の人にも死をかけた行為。身を隠すところもない場所に行くことはできません。

それよりも、こんな無政府国にもジャーナリストがいること自体、不思議です。NGOもあります。それらはソマリアの希望でもあります。社会を取りまとめるクラン(氏族)があるからこそ、まだ人間は生きていられる。ジャーナリストもNGOも存在できる。病院もある。

先週の後半から始まった戦闘は、どうやら、そのクランの族長とジャーナリストを狙い撃ちにしているのです。支配地域を拡大するだけではなく、その取りまとめ役と情報伝達をしている人間を亡き者にしようという、巧妙な戦略です。

夜明け前でないと電話ができない族長は、電話をくれる時間がだんだん早まり、先週からは現地時間の夜中の1時半に電話をくれています。ソマリア最大の族長の命に、過激派イスラムグループの照準がピタリ合っています。

族長は今朝の電話で「たぶんヤツラは麻薬を使っている。多数の使者が出てもまだ戦線を維持しているし、奇声を発しながら銃を撃っている。あれは普通の人間じゃない」といいます。

社会全体を葬ろうとしているアル・シャバーブ。

ソマリアの領土をおさえられても、統治などできないのに。

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2009/06/20

ソマリア情勢:今日が最後の日

Adowの暗殺を怒る

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

ソマリアのMember of Parliament“Adow”がアル・シャバーブによって、昨夜暗殺されました。彼の死を悼みます。

ソマリアは今日が最後の日

「関が原の決戦」にもならないくらい、すでに暫定政府は無力です。

人々は逃げ惑い、内閣は今銃声が間近に聞こえる中、会議をしていますが、結論は出ないでしょう。

昨日から一晩中戦いがあり、7キロ先にいた敵が今日の午前2時には2キロにまで近づきました。

Adowの暗殺が大統領府の全員を浮き足立たせています。敵の顔が「目の前」になる前に、シャリフ大統領は亡命を決断せねばなりません。

しかし、気の弱い彼にはできないでしょう。

何も解決策がない場合、明日AMISOMの飛行場に逃げると、族長は言いました。

逃げ切れるだろうか。

シャリフ大統領を捨てなさい、と私は言いました。

彼は一瞬沈黙した後、今シナリオは描けない、とぽつりと言いました。

取り急ぎ、明日の米国の有力新聞にこの話を書いてもらう手はずを打ちました。そうすれば、月曜日、父の日明けの米国国会議員が行動を起こしやすいからです。

明日以降、ソマリア第二のアフガニスタンになります。

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2009/06/17

ソマリア情勢:戦闘再開、政府軍兵士18人死亡

こんにちは! 吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。

今朝、現地から連絡がありました。

現地時間の昨日午後から再びアル・シャバーブの攻撃が始まりました。昨夜は8時ころに攻撃はやみ、今朝2時半、再開です。「今度のはすごい」と、族長は言いました。彼は全土に「耳」と「目」を持っているので、正確です。

モガディシュから60キロのところで政府軍兵士18人が殺されました。

アル・シャバーブ軍の多くは外国から来た者たちで、白人のアメリカ人もいます。名前は、アル・モスー・アメリヒ。「アメリヒ」はアメリカ人という意味で、それを姓にしています。

スポークスマンはアリディリ。

司令官はたくさんいるが分けても強力なのはゴダニティ。ソマリランドの人です。

かつてのイラクそのものです。

イラクの時には米軍は来たけど、ソマリアには派遣なし。目先の海軍だけです。ブラックホークダウンで懲りたからではなく、政府予算がないのです。

族長のところに定期的に電話をよこすアメリカ人ビジネスマンは、実在しないことが分かりました。ソマリアには米国だけではなく、ロシアから資金を得ているジャーナリストがいることもわかっています。私はその名前と組織名を、偶然入手しました。世界中の“強国”の「耳」「目」「口」「手」が入り込んでいます。海賊対策だけで満足してはいけないのです。

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2009/06/12

ソマリア情勢

先週末からなぜか、モガディシュではアル・シャバーブ派とアウエィスによる攻撃がほとんどなくなりました。攻撃されている知人の族長は「玉の調達にでも行っているのでは」ということ。朝は6時前から夜は5時半ころまで大体決まった時間に攻撃が始められ、それが「well-organized」だそうです。訓練を受けた軍でないとそうはいかない。

現地水曜日の早朝、中東のテレビ局、アルジャ・ジーラにエリトリアの大統領が登場し、「われわれはソマリアにいるアル・シャバーブとアウエィスをsupportしている」と、公式発言をしました。具体的に弾丸や武器、資金を提供しているとは言いませんでしたが、「support」という言葉に全ての言葉を含ませているのです。2週間前には、アウエィス自身が、「エリトリア政府の支援に感謝している」と同じ放送局で述べています。

あの小さな国に、どうしてそんなことをする余裕があるのか。ソマリア政府も、国際社会も分かっています。中国が資金提供しています。中国紙がエリトリア政府に同情的な論調で埋め尽くされていることが、その証です。

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2009/06/08

ソマリアの講演の追記

4日の講演の中で、私はこんな言葉を言いました。

「子どもだからと言ってすぐに同情したり、純粋な存在だと決め付けたりするのはおかしい」と。

この意味は、「住んでいる環境によって、どんな人間も影響を受けるものであり、その環境に適応する作用が自ずと働くものです。人間性や行動はそうした周辺の環境によって大いに築かれていくものであり、年齢や性別で人を決め付けてはならない」ということです。

日本人がかつて、正直な人が多かったのは、正直であることが地域において資源配分を受けたり差配したりする際の変数を最小化するからだったと思います。

結果的に、正直さは社会における身分、地位、名声を得やすくしていたと思います。

5月半ばからソマリアで戦闘が再激化して以来、毎日朝晩、私にレポートをしてくれる人がいます。報道されていない厳しい事実にうなってばかりです

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2009/06/07

米大統領のカイロでのスピーチの意味

オバマ大統領を始め、アメリカ政府は現金集めに奔走しています。アメリカの国債金利は上がる一方です。オバマ大統領が中東を回ったのは現金集めでした。

アメリカは金が足りない。だから6月2日からオバマ大統領は、産油国とイスラエルの金持ちに米国債を売って回った。財務長官は中国にいって売ってきた。手分けして米国債を売っている。

やがて米国債が不良債権とみなされる日が来るかもしれない。そんな日を望んではいませんが、あながち「トンデモ」でもない気がしています。これを回避するためのアイデアを、私は9日発表の日経ビジネスオンラインでの原稿に書きました。長期的取り組みですが、考える価値はあると思います。

オバマ大統領のスピーチを聞いて感激しておられたシャリフ・ソマリア大統領。

過激イスラムグループに対抗するためには資金が必要だ、というあなたのメッセージを、私は“あの方”から受け取っています。

シャリフさん、しかし、アメリカは何もできない。日本はもっと何もできない。アメリカにとって、ソマリアの優先順位は低い。アメリカにはもう資金がないのです。

将来のソマリアを支える有為な方々の身に何かが起きないことだけを祈っています。

そして、「亡命」も、検討する時期に入ってきたと思います。

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2009/05/26

軍閥の長とホワイトハウス

先日の軍閥の長の言葉を、ある人に伝えました。この人物は某国人です。

私がジブチで長と会ったとき、彼は「米大統領が何を考えているか知りたい」と言っていました。

その言葉を聞いたとき、この人物は、笑っていました。

「それは無理だな、ハイレベルな人間と知り合いでない限り」と。

ところが、今回は、同じ人物が、こう言いました。

「今、ホワイトハウスでソマリア問題を協議している。長がハイレベルな会合を望んでいるなら、取り次ごう」

急展開です。

アメリカは何かをやる。だから、今回は食いついてきた。

長のために、ソマリアのために、周辺の安寧のために実質的なお手伝いを出来そうで、私も嬉しいです。

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2009/05/24

政府軍の反撃開始、ソマリア情勢

いま、24日深夜0時半です。

先ほど、ソマリアの軍閥の長と電話で話しました。

日経ビジネスオンラインのソマリアシリーズ「ソマリアへと続く“武器街道”を行く」(6)最終章で書いた、あの軍閥の長です。

私「大丈夫?あなたの兵士も家族も」

長「おお、心配してくれて嬉しいよ、スズキ、皆OKだ」(彼は私をスズキと記憶している)

彼によるとこんな具合になります。

昨日(22日金曜日)政府軍が反撃を開始して、押し返している。これがすごい。ファイヤーファイヤーだ。多くの(thousands)市民が死んだ。我が兵は動かしていないが、政府は応援を求めてきている。今話し合いを進めていて、双方で行ったりきたりしているところだ。合意は、しかしまだである。自分は彼らの敵、政府も彼らの敵。だから話し合っている。

スズキ、今回来なくて良かったよ。いつこれが終わるか分からないが、またモガディシュで会いたいと思っているよ。

軍閥の長は私と話すとき、声が少し上ずった感じになります。「日本から電話してきているんだな、行きたいなあ」と、彼は言いました。「ジブチのシェラトンホテルであったときの君を良く覚えているよ。優しい眼をしている女性だと思った」とも。

私「私に何かできることは?」

長「俺を忘れないでくれ。俺は生涯君を忘れない。君の家族と君の友人に幸せを。また電話してくれ」

長が対立しているといった「彼ら」とは、アルシャバーブ派のことです。イスラム法廷連合の残存であり、強烈な軍事力を持っています。

あの土地でソ連製の機関砲が火を噴きRPGと手榴弾が飛交っている様を想像しました。私と電話中も、長のもう一つの携帯は鳴りっぱなしでした。

一方、ニューヨークの通信会社の知人は滞在先のフランスから電話をよこし、「君の友人はどうしている?」と、聞いてきました。「友人」とはこの軍閥の長のことです。長の動向を彼もまた知りたがっていました。軍閥がどう出るかが、このたびの戦いの行方を決めるのです。

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2009/05/09

ベストな女性は常に成長する女性

昨日の続きです。

異国の人たちとインターネット電話をしていると、常におこること。

それは、アル・カイーダの話をしていると突如アメリカの物質主義がアラブの若者をひきつけていないという話になり、着る物の話になり、男女の出会いはいかに生まれるかという話になり・・・話がよく飛びます。

でも彼らの中では繋がっているのです。各国の文化と政権、政治システムの特徴をはっきりさせながら「この人物はこの影響を受けて育っている」と分析します。それを否定ではなく、その人物の人となりを表す要素として述べている。「日本人はこうだ」「中国人はこうだ」とレッテルを張る団塊の世代には常日頃辟易しているので、私は肩の力を抜いて話ができます。

本日の、私と先方の合意点は、「ベストな女性とは常に成長する女性」という言葉でした。彼は「英国の」とつけましたが、私は「全ての」と言い換えました。私も40代に入ってからの成長がそれまで以上に大きいように思います。

言い換えると、仕事のランクが上がると公私ともども交流する相手のランクも上がって、良い出会いに恵まれる、ということでしょうか。

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2009/05/08

明日のアメリカ朝刊紙の話題

ソマリア関連の取材を始めて、ほとんど毎朝インターネット電話をしています。

こちらは早朝。あちらは夕方だったり、夜中だったり。無料ということもあって、話が1時間を祐に越えるので出勤が遅れます。その代わり、面白い(有益な)情報を早々と手にすることができるのは、嬉しい。

今日の収穫

・ソマリアで展開中のドイツ海軍の非効率ぶり

・ロシア政治家たちの汚職ぶり

・明日の著名紙は上記二つのネタで埋められるだろう

著名紙の情報源には私の友人が含まれているので、こんなことが分かった次第です。

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2009/04/24

ドバイにて:ガラス越しにスキー場

こんにちは!吉田鈴香です。

ドバイの人たちは、珍しそうに、屋内スキー場を外から眺めています。

Dubai2

そういえば、以前、苗場スキー場で、ほかのひとがスキーをしているところを屋内プールから眺めたことがありました。

別世界をガラス越しに見たり見られてたりするのが、いいんです、はい。

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2009/04/23

ドバイにて:ここはロシア!?

こんにちは!吉田鈴香です。

調査取材で訪れたところは、ジブチ、ナイロビ、ドバイ。

ここはロシア!?では、ありません。ドバイです。砂漠のモール街にある屋内スキー場

Dubai1_2 

屋内スキー場で家族連れが遊んでいます。

それを見ながら私はインタビューをしました。

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2009/04/21

ジブチにて:ソマリアとの国境へ

こんにちは!吉田鈴香です。

この画像は、ソマリアとの国境を目指して走ったときの車から。

先導するのは、国連難民高等弁務官事務所の車です。

Car1

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2009/04/20

ジブチにて:乳児を抱えた難民女性

こんにちは!吉田鈴香です。

ジブチとソマリアの国境で難民と会いました。

Somaria_josei_2

彼女の荷物の大半は、粉ミルク。左の男性は、UNHCRの現地職員。彼女たちは、聞き取り調査を受けた後、国境の収容キャンプで一時的にすごし、その後、難民キャンプへ移送されるのです。

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2009/04/17

ジブチにて:難民女性

こんにちは!吉田鈴香です。

本日の画像は、ジブチの難民保護官の聞き取りを待つ難民女性。モガディシュの自宅を出て国内を避難して回っていたが、とうとう国外の難民キャンプを目指すことにしたという。

Somaria_josei

難民は2007年9月からソマリアの中南部から急激に増加しています。

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2009/04/10

軍閥の長

またしてもソマリア関連で恐縮だが、某国で気になる人に会った。

ソマリア最大の軍閥の族長さん。

私兵7000人を擁している。

ひと目でただならぬ人と分かった。

雲をつく大男であり、迫力と静けさが入り混じった気配を漂わせていた。

向き合ってみると、愛らしい眼を持ち、静かな口調で話し、紳士的にお辞儀をする。

チャーミングな人だった。

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2009/04/08

World Is Small

世界で今一番危険なところは、アフガニスタンではない、パキスタンでもない、スーダンなんかじゃない、それはソマリアだ。

そんな言葉に私が怖気づいたのではない。弾丸を避けて歩く自信はある。

私がソマリアの取材に出かけたのに、ソマリアに入らなかった理由。

それは、ソマリア人のネットワークの恐ろしさを聞いたから。

周辺国で聞き込みをしただけで本国の海賊に筒抜けになる。だから空港に着いた途端に誘拐、身代金を日本政府に要求される――というシナリオがはっきりしたからだった。

それは確かだった。

ソマリア人のネットワークの恐ろしさを、身をもって感じた。私の人相風体を彼らはどこかで撮影し、すでに回覧していた。

国際社会でしばしば言い交わされる言葉「World Is Small」「Small」とは、ソマリア人のディアスポラにしてみれば、数人でこの世を見張り百人程度で情報を分けあう狭さだ。

軽々に書けない情報を、さて、いかように書くか。

掲載してくださりそうなところをあたりたいと思います。

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2009/04/07

急がなくては・・・

急がなくては・・・

帰国して少しボ~っとしていたのですが、今日、ハタと、気がつきました。

早くメディアで発表しないと賞味期限が切れてしまう。

とくに、写真を早く掲載したい。

ソマリア沖で投棄され、海岸に漂着した核物質の写真は、公表したらすごいことになるだろうな、と思います。

ソマリア人の怒りを、私は彼らと共有しました。

日本の皆様とも共有したいです!!

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2009/04/04

帰国しました!

こんにちは、吉田鈴香です。

一昨日遅くに、無事帰国しました。

ソマリアには、直接入りませんでしたが、さまざまな現状を目にすることができました。

少しずつ、このページでも報告してまいります。

とりいそぎ、みなさまにご一報まで

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2009/03/31

ナイロビ、ドバイ、ジブチにて、調査中(その2)

こんにちは! 吉田鈴香です。

まだ日本ではありません。 旅の途中です。

日経ビジネス「NBオンライン」にて、少しずつ、現地報告をしております。

日経ビジネス「NBオンライン」で本日公開の記事は、「あらゆる違法がそこにある」ソマリア人コミュニティーを訪ねる ソマリアに続く“武器街道”を行く(2) です。

現地の現状を少しずつレポートしております。今回は、ケニアにあるソマリア人コミュニティーについてです。

吉田鈴香の「世界の中のニッポン」では、みなさまから、数多くのご意見をいただいております。私の所感をぜひご覧ください。そして、ぜひコメントをお寄せください。

帰国したら、あらゆる角度から、このページでも報告したいと思います!

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2009/03/27

ナイロビ、ドバイ、ジブチにて、調査中(その1)

こんにちは! 吉田鈴香です。

すでにご存じの方も多いと思いますが、21日に旅立ち、ナイロビ、ドバイ、ジブチにて、調査をしております。

日経ビジネス「NBオンライン」のコラムにて、今回の経緯ならびに、取材について紹介しておりますので、ぜひお読みください。

公開の記事は、「ソマリアに続く“武器街道”を行く」です。

吉田鈴香の「世界の中のニッポン」では、みなさまから、数多くのご意見をいただいております。

私の所感をぜひご覧ください。そして、ぜひコメントをお寄せください。

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2009/02/14

自衛隊派遣の要請

年明け早々、ある地域に取材に行こうと決めてから、かなりの時間を割いて情報収集と計画立案を続けている。ブログの更新の間合いが長くなったのもそのためで、インフルエンザにでもかかったのではと、ご心配くださる方もあり、ありがたいと思う。

あれこれと動いているうちに別なことが見えてきた。世界の主要各国が経済危機のために紛争地から兵を引き上げる動きを見せ、軍事力のカバーに穴が開き始めたのだ。抑止力の穴は、新たな何かを生む。これを埋める力を動員せねばならない。

どこか余裕のある国はないか。

世界の超大国はそう思っている。

こうなってくると、日本は特別困っていないことが眼につく。

いつもしぶしぶ最低限の兵力派遣でお茶を濁している国。幼稚園で皆が泥んこ遊びしているときに「ぼくたん、お洋服汚したくないもーん」と、幼稚園できれいな洋服を着続けている国。国会でだらだら審議にもならぬようなロールプレイ・ゲームをしている国――日本がいるじゃないか、と。

経済危機の度合いは相対的なものなので、こんな“余裕”を見せていると外国の目には日本が安泰に見える。

まもなく、日本に陸の兵力派遣の正式要請が来るだろう。

私がNBオンラインの正月御神籤で占ったとおりの展開になりそうだ。

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2009/02/05

BAJの新石さんのご冥福を祈ります

1月29日、BAJ(ブリッジ・エーシア・ジャパン)事務局長の新石さんが亡くなられたことを、本日友人が知らせてくれた。発病後も仕事をされているオフィスにお邪魔したとき、髪の毛がずいぶん少なくなっておられた。つい「あら、新石さん、ちびまる子ちゃんのおじいちゃんみたいになられて」と口が滑ったのだが、新石さんは怒りもせず、笑っておいでだった。理事長の根本さんは細い目をますます細めて、「あはは、ともぞーだあ」と大笑いされた。

BAJがまだ成立される前、お世話になった。当時も私の冗談とも本気ともつかぬ話を真顔で聞いては、笑っておられた。他方で、ビルマ語やベトナム語で怒気を含んだ大声で話されることもあった。手堅い仕事をするBAJを作った新石さんのご冥福をお祈りします。

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2009/01/14

どうするウクライナ、ロシア

新年早々、ロシアがウクライナへのガスの供給を止め、その理由を料金滞納とロシアが発表している。

年末に私が聴いたウクライナの駐日大使の話には、ロシアへの恨み言など一切なく、「ウクライナはヨーロッパへのガス輸送の途中にあるため、輸送コストがかからない分、安く分けてもらっている」とすら語っていた。ロシアと事を構えることは国益に反するため、外交努力を持って友好関係を維持している、とも。

一部報道で、ロシアとウクライナの共同で設立した合弁企業の暗躍のために料金徴収が滞っているとか。正式取材でそんな裏話を口にするわけもないから、その報道の真偽は不明だが、エネルギーを止められればどの国も困ることを分かって供給を止めるのだから、ロシアはやはり「大国」だ。

あらゆる国が欲しがる水もエネルギーも森林も持っているロシア。なのに平均寿命が58歳のロシア。経済成長を決まった財の輸出に頼り、人的開発を怠った国のゆがんだ姿に、開発経済を学んだものとしては興味をそそられる。エマニュエル・トッドの「帝国以後」(2003年発行)を再読し始めた。

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2008/12/08

お相撲さん遊びとNGOファンドレィジング

酒席にお相撲さんを呼ぶ「遊び」があるとか。かなり前にエメラルドのデザイナーからそんな遊びをしていると聞いて、不思議だった。お相撲さんて、漫談が上手なのかな?それとも、呼ぶ人がお金があることを見せびらかすためかな?

なぜお相撲さんとお酒を飲むことが「遊び」になるのか、その時はちっとも分からなかったが、最近思い当たることを聞いた。FMラジオの、読者の投稿に「お相撲さんから仕事を紹介してもらって、以来、そのお相撲さんのごひいきになりました」があった。

もしかすると、人脈を紹介しあう、今で言うネットワーキングを「お相撲さんつながり」でしているのかもしれない。朝ドラの「だんだん」で観る祇園のお座敷も、ネットワーキングの場のようだから、多分この推測は近い。

お相撲さんて、タニマチからお金をせびってばかりいると思っていたけど、実は違うのかもしれない。気持ちをやったり取ったりしている人脈作りの仕掛け人だったのね。そうでなければ、ごひいきが長く続かないはずだ。そうだ、きっとそうだ。

ここで、かねがね私が思っているNGOのファンドレィジングの拙さと共通点を見つけた! NGOは金持ち人間や企業に「寄付をください」「こんな企画を一緒にやりましょうよ」と、遠くに石を投げては、当たっただの外れただのと一喜一憂している。そんなことより、身近にいる人間に、その人が欲しがっていることを手助けしてやればいいのである。職を探している人には知人に照会してあげる。恋のお相手を紹介してあげる。そしたら、その人は、もっと何かをしてあげようと発奮する。まじめな日本人なら必ずそうする。

「してください」ではなく、「してあげます」と、一度でもNGOサンの口から聞いてみたいもんである。そしたら、「応援もこの辺でやめとコ」なんて思わないのに。

もっとも、このアイデアは、相手のニーズを察知する心と、紹介できるほどの広い人脈が外にあればこそ可能なこと。それでも、NGOのファンドレィジングをアドバイスする専門コンサルタント(私の知人がやっている!)にお金払って助言を頼むくらいなら、身近な人を見つめなおしたらいい。

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2008/12/03

ンジェリ博士からの“伝言”

舩田クラーセンさやかさん

朝日ドットコムで書いておられる記事を読みました。

私も取材して日経ウーマンネットで書いたンジェリ博士のことを書いておられて、胸が詰まりました。文中、私のことにも言及していただいてありがとうございました。

改めて、一つ一つの出会いが人を動かし、知識欲とやる気を誘発すると思いました。
ンジェリさんの場合は、自らの命を事前に察知していて、使命感を持って支援のあり方を伝えて旅立ったのだと思いました。彼女の訃報をお知らせした時、さやかさんと「ンジェリさんに何かを託されたような気がするね」と話し合ったこと、忘れていません。私には私の使命がある。

「急がねば。時間がない」と私の目を見つめたンジェリ博士。気難しくてめったに人に心を開かない博士が激烈な言葉を以って、私に支援とは何かを話してくださった。私はあえて批判されっぱなしのポジションをとりました。ンジェリ博士が話す間、ずっと、なにかアション起こせといわれている気がして、激しく動悸がしたのを覚えています。

これでまた、またンジェリさんに背中をたたかれたように思いました。
思い出させてくれて、ありがとう。

鈴香より

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2008/11/28

日本イノベーター大賞の枋迫さん

 27日夕方、日経BP社主催の日本イノベーター大賞の授賞式に行ってきた。旧知の枋迫篤昌さんが大賞を受賞されたのでお祝いを言うためだ。

  枋迫さんが創業したマイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)は、移民送金を原資に途上国に滞留資金を作り、それを貧困層に低利で小額貸し出すという、画期的なスキームだ。拝金主義を基盤にした金融工学にあえて乗らず、善良なる心がそのまま結実した透明な決済プログラムが素晴らしい。その枋迫さんが、私も縁がある日経BP社から栄えあるイノベーター大賞を受けたとは、ご縁である。

枋迫さんが起業したばかりの2004年の9月、私はアメリカのワシントンDCとその周辺の送金店舗と、マイクロファイナンス取引先があるエルサルバドルの受益者を訪ねて歩いた。DCの近郊、ホイートンの店舗の開店セレモニーを取材したり、顧客に集まってもらってグループインタビューをしたり、顧客の母国の家族を尋ねて送金に頼る暮らしぶりを伺ったり。最先端の取材だった。

日本ではまだ「移民送金」という言葉自体が知られていないときで、マイクロファイナンスを勉強会で学んでいるレベルだった。彼が考案したスキームを専門的に解説した記事を業界専門誌の「国際開発ジャーナル」で発表したり、送金システムに絞って「フォーブス日本版」で書いたり、ODA機関にペーパーを提出したりした。

その後、2006年、2007年と、DCの会社と店舗を訪ねて最新の状況をフォローアップもした。MFICのスキームを金融と開発の両面から専門的に解析をし、そのフィールドまで尋ねていったのはジャーナリストでもコンサルタントでも今も私一人と自負している。

授賞式で晴れやかにスピーチする枋迫さんを見ながら思った。もう私が枋迫さんを応援してやる必要もなくなった。良かった良かった、枋迫さん。おめでとう!!

帰り道、枋迫さんの取り組みを冷ややかに見ていた国際協力の世界の誰彼の顔が頭に浮かんだ。批評するのは誰でもできるが、厳しい実業の世界で誰も考え付かなかったことを始め、実績を出すことは、月とスッポンほどに違う。なんだかちょっとばかりスッポンたちのハナを明かしたような気がした。徹夜明けの頭が妙に冴えた。

さて今夜は、読みかけの村上龍作『半島より出でよ』の後半を読みきってしまうか。寒さに身をすくめて吐く白い息が、安堵の息と混じってちょっとばかり長くなった。

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2008/10/23

金融の負の連鎖が途上国に及ぼすもの

 リーマン・ブラザーズ破綻以来、金融の世界での負の連鎖が心配だ。今回の危機は、97年のアジア通貨危機と違って、世界中の国々をディープ・リセッションか恐慌か、という不安に陥れている。IMFに基金を作って救済する案で対応しきれるとは思えない。日本の財務相はIMFにいい顔したいらしい。

 アイスランドに続く国家のデフォルト(債務不履行)は、パキスタン、ベラルーシ、ウクライナ、ハンガリーと来て、次はアルゼンチンが危ないとか。これらは、新興国、エマージング国だ。そしてトルコ、ブラジル、韓国、ロシアだと名前が続々挙がってきた。クレジット・デフォルト・スワップのスプレッドでリスクを見るとこういうことになる。

 私の心配は、本当に貧困に陥っている途上国、特にアフリカの途上国に投資も援助も滞るだろうということだ。せめて、無償資金協力で手当てをしないといかんのではなかろうか。これまで平和構築で国際協調の必要性を、開発におけるそれ以上に感じてきた。そして、今度の金融危機のあおりを受けている途上国の開発の世界で、日本が主導して国際協調ができたらと、思っている。

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2008/10/08

国際支援発展のために私ができること

 昨日NBオンライン「吉田鈴香の「世界の中のニッポン」」で公開した我記事に対し、様々な人からコメントを頂いた。物書きとして、また、国際支援の世界にいるものとして、大変嬉しく思う。国際支援の世界の活性化と活発化を願って書いたことに、味方を得たような気がしている。ODAの問題提起記事を書こうと決意してから約5ヶ月、膨大な量のメモを作り、道を歩きながらぶつぶつ独り言を言い、夜中に起きて枕もとの紙の余白に走り書きをした。「アートの世界」の人たちなら、デッサン、素描と言われるような下書きの束だ。全て書き終わるまで取っておこう。

 私は、国際支援の世界で育ててもらった。誰が育ての親かと特定するような“育てられ”方ではないが、自分より知識がありそうな人には片っ端から質問をし、自分で考え、取材をし、本、論文を読んだ。いつしか20年もたってしまったことに、自分で唖然とする。それが文字にすると、わずかな量にしかならない。知識をためるための時間軸と、執筆のための時間軸は、まったく異次元だ。

 こっそりメールを下さった見知らぬ人もいる。「外務省から嫌がらせを受けることでしょうが頑張って」は、予想していなかったのでいささか驚く。嫌がらせのような姑息なことをするのかな?真正面から面談をお願いし、真正面で受け止めてくれた何人かの外務省の人たちの顔を思い浮かべながら、マサカな~と思っている。

 執筆に当たってNGOの方々に相談したわけではないが、私の結論に賛同するNGOの人たちが多いようだ。これも少し意外だった。役所かNGOかなどという二元論をするつもりもなく、ただODAを発展させたい一心で、守旧派への乾坤一擲の批判をしたかった。

 NBオンラインの記事は隔週で書いていく予定であるから、次々書き進めねばならない。言及して欲しいテーマなどある人は、「コメント」に寄せて欲しい。見知らぬ方々との知的往復を私の喜びとしたい。ODAの発展はなにやら実家の繁栄にも似て、喜ばしい。

 この世界にいる限り、未だ顔見ぬ寄稿者の皆さんといつかきっとお目にかかる。

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2008/10/06

共通の文化を感じないこの世界の人々

 先週、20年間の思いのたけを込めて、ODA批判を書いていた。明日、NBオンライン(日経ビジネスオンライン)に載る。これぞ批判、と思わせるような正統派の批判を書こうと思った。従来の通俗的な批判ではなく、勉強した者ならではの突っ込みをしたいと長年思っていたのを、少し吐き出せたことに、使命感を果たした安堵を感ずる。もちろん反論に対応する責任を背負うことは承知の上で、今後連続して書き進めていくつもりだ。

 厳しい原稿を執筆するとき、私は時々ヘッドフォンで曲を聞くことがある。今回はサザンオールスターズと、宇多田ヒカルを中心に聴いた。津軽三味線(吉田兄弟じゃない)なども好む。批判に大切な思いきりのよさは、キーボードをたたく指に元気を持たるか、決めのワンフレーズを生み出せるかどうかで、決まる。曲を聴いていると、その集中力が高まるような気がするのだ。

 しかし、私がどんな曲を聴くかなんて、国際協力の人たちと話したことがない。20年間も同業についていて、皆誰がどんな人物かを知る狭い業界で、音楽とかアートとか、時代を共有できる共通の楽しさがないのである。いわんや、我が最愛の宝石の話など通じない。音楽やアートといえば、どこかの途上国で自作の曲をヒットさせた日本人青年の話だの、スポーツを普及させた成功談だの、なんでもかんでも仕事に結びつける。

だから何なの?

サザンの話ができないのだ・・・!!

息が詰まる。

この人らの頭ん中は金太郎飴やなかろうか。

私がODA批判を私にしかできない「我が任務」と思うようになったのは、こんな経緯も、あった。

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2008/09/12

NGOは人を育てるか?

 昨晩、私が理事を務める、あるNGOの理事会に出席してきた。ほかの理事は全員50代から70代の男性である。職員が説明している間、電卓で会計収支が合っているかを確認する人あり、携帯を覗く人あり。予算配分の適切さとか、維持管理費の少なさへの言及など、肝心な質問はない。私は人件費のあまりの少なさに驚き、説明を求めたところ、こんな答えが返ってきた。

・ 国内人件費は外務省やJICAでは一切めんどう見てもらえず、海外に出ている間だけ日当が支払われる。日本にいる間はほとんど無給。

・ 法律を改正しない限り、国内の人件費に資金を投入することは無理。 

私は、自己資金を増やす対策を早急に考えねばならぬことを問題提起し、出入りする学生を動員してのバザーの開催、コア・コンピタンシーを表した短い書類の作成を古参の理事に依頼した。

しかし、理事たちははっきりとは承諾しない。老眼鏡をかけている理事たちの目が、名実共に濁っているように見え、次第に腹が立ってきた。  

私が無給の理事を引き受けたのは、このNGOの技術が優れていると思ったからである。理事長には私に何を期待するのか何度も聞いたが、理事長は「女性でものを言ってくださる人がほしかった」というだけで、合点が行く答えがなかった。ODA機関などに売り込みもしたが、そのつど言われたのは、「仕事を頼んでも出張ってくる人材がそのつど変わる。彼らの手法はさほど新しくない」であった。ほかのNGOとの差別化ができない上に、商談相手がいつも違っては、民間ではまず見向きもされない。NGOだからまかり通っているのだった。若手職員は「もっと言って」といわんばかりの目で私を見上げていた。  

人を「人材」として育て上げるには、十分に食べさせ、青春を味あわせ(つまり恋愛、遊興、悩みに時間を使える境遇におく)、問題関心を誘発するような難問を課せなければならない。このコストが、会計費目では人件費、家賃、交通費など「維持管理費」に相当する。一般に欧米では4割ほどをさいている。ところが、日本では寄付はどれも「この事業に」と指定され、国内費用に振る向けることができない。ますます海外事業を増やそうとする。と、ますます国内活動が手薄になり、補助金や委託事業を授けるファンド側の不信を買うことになる。そして、海外事業もできなくなる。 

 寄付する側もおろかだが、国内維持管理費の重要性を訴えないNGOも、日本人の意識喚起を怠っている。昨日のNGOの理事長は、「私たちの口からは、威張っているように見えるから言えないのだ」というのであった。  

 NGOの表舞台では、これとは全く異なる役割が彼ら彼女らを待っている。講演である。活動報告や、公的なシンポジウムでの意見発表など頻繁に壇上に上がって意見を述べる機会がめぐってくる。その目的は一般人の理解をえて支持層を獲得して寄付を募ることにあるのだが、若くしてその機会を与えられ、称えられ、満足して続けていると、自分が偉大な人物であるかのような錯覚に陥ることがある。そして、早々と「完成品」になってしまう。人間としても、仕事師としても、現状で頭打ち、成長がなくなるのである。本人は気づいていないだけに、哀れである。  

 いや、若い人だけではない。定年退職後に「ボランティア」としてNGOを始めて、周囲から褒め称えられているうちに、「自分が日本を背負っているんだ」といい始めた人があった。その真意を問うと、「国会議員が激励に訪れたりして、その熱意を褒められ、誰にもできないことをしているから」であった。  

 何事も目的をしっかり念頭に置いて現在の役回りをこなせる人材は、なんと少ないか。受注者だからと発注者のJICAから暴論を吹っかけられ冒涜されても文句をいわぬコンサルタントも卑屈と思うが、NGOが常に人を育てるとは、思えないのである。

NGOにいるか、コンサルタントになるか、政府の職員になるか、そんなことはどうでもいい。胸に哲学を抱いていれば、もっと自分の能力を高めようと思うだろう。目の前にいる人と自分とを比べて「自分のほうが有能だ」などと満足しないだろう。常に自分を追い立てる厳しさをもてるだろう。

 能力のピークをどこに持ってくるか、考え、それまで、ありったけを吸い、ありったけを発し、ありったけ知識とネットワークの分母を大きくしてほしい。

私のピーク? 私は60歳だと思っている。

本件に関しては、『環境会議』(9月5日宣伝会議発行)を参考に読んでいただきたい。

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2008/09/11

NGOを見る目

 企業のCSR熱の高まりもあり、近年はずいぶんと海外から国際NGOが日本で事務所を構え始め、寄付を募っている。すでに20数年来日本で同様の活動をしている国際NGOもあり、また、国際機関もNGOそっくりに募金活動を行っているため、市場は過熱気味である。彼らが首尾よく寄付を獲得しているかどうか、別の機会に述べることにして、今日は、寄付をするに当たり、NGOのどこを見ると参考になるか、私見を述べたい。


 まず、事務所を訪ねることである。事務所の雰囲気を感じ取ること、寄付者の訪問をどんな目で迎え入れるか経験すること、書棚にどんな本があるか見ること。ゴミ箱が山盛りになっているようなNGOは規律が不徹底とみなすことができる。そう、企業訪問と同じである。


 次に、できれば会員になって、総会に出席すること。理事や会員から異論が述べられることがあるので、それを注意深く聞き、納得がいく説明をしているかどうか、自分の目と耳で判断するといい。質問者が重箱の隅を突っつくようなことを言っているのなら、気にすることはないが、自分も気になるような質問であれば、耳を傾ける。


 私はほとんどのNGOの事務所を訪問してきた。ジャーナリストとしてだけではなく、寄付者、会員としてボランティアに参加したこともある。ある日のこと。公式のシンポジウム後に、ある人物インタビューをお願いしていた。楽屋裏に行くと、そのNGOの理事たちが食べ物を大いに食している真最中。理事役の俳優さんが持ち込んだと思しき弁当ありケーキあり。皆背を丸めて卓を囲んでいた。見知らぬ私が彼らの傍らを横切っても一顧だにしない。


これをどう見るか。見知らぬ訪問者に目を留めるものが一人もいないことは、外に対して緊張感がない組織文化と、私は見た。広告を出して大いに募金を集める組織である。自分たちがどんな目で見られているかを意識するセンスがあれば、がやがやと食事に熱中する舞台裏を見られることはバツが悪いと感じるはず。専門職員にも理事にもそんな意識がなかった。会話内容も、我が耳に筒抜けである。


以前、仕事場と住居が同じの旅回り一座の取材をしたとき、役者の一人が私に自分たちが食べている菓子をティッシュペーパーに分けて持ってきてくれた。駄菓子である。心遣いがありがたく、好意的な記事を書こうと思った。外部者は、そんなわずかなことに人間付き合いを感じ取るものだ。


国際支援の世界は、苦労知らずが多い。

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2008/09/08

福田首相退陣は、無為の国ならでは

 「お上など何するものぞ。そんなものなくてもわたしらの生活は何事もなく続くのさ」と、笑い飛ばす農民の言葉を思い出した。古典の教科書の冒頭で習った記憶がある「無為」の下りだ。福田首相の政治放棄は、まさに、「無為」を胸によみがえらせてくれた。国民の多くは大いに政治そのものへの失望と反感を感じたに違いない。

アフリカなどのリーダたちは

 脆弱国と呼ばれる、アフリカなど多くの政治が乱れている国々のリーダーは、自己防衛の弁に優れていると同時に、枕を高くして眠れないという。政敵からも、一般国民からもいつ襲撃されるかわからないからだ。国民は皆、政治に敏感であり、井戸端会議で政治家の悪口を言い合うレベルにとどまらず、失策が続くと暗殺や革命に一気に至る。為政者はますます国民の声に耳を閉ざす。そして強権の発動、動乱、暗殺と転げ落ちるのである。ただ、最近は政敵が一般市民を動員してリーダーを官邸から物理的に追い出す手法が実施され始めているようで、タイがその顕著な例である。昨年末のケニアは、政敵の支持層を襲撃しあうという、もっと凄惨な事例であった。つまるところ、政治家同志の国会での弁論による直接対決ではなく、代理を立てての物理的衝突である。日本がこうした路線に陥らないのは、国民が賢く、政治家の首が変わっても暮らしに変化なし、と国民だけで社会を成立させて見せると矜持を持っているからだろうか。だとすると、日本の政治家は国民に感謝せねばならない。

国民に甘える政治家、ビジョンの提示を

 しかし、いつまでも国民に甘えるな、と言いたい。国民が求めているのは、個別政策と言うよりもビジョンのほうである。どういう国家にするのか、どんな概念を外に向かって訴えるのかを知りたい。

国際政治学者の故高坂正堯は、国家の役割を3つの体系にまとめた。力の体系、利益の体系、価値の体系である。それぞれ、国民の生命を守るための軍事力、財産を守る外交、経済、食料などの政策、そして国民に美醜を明示すること、とした。これまでの日本の政治は、2番目に集中し、昨今は力の体系に取り組む姿勢も見られる。だが、最後の美醜、善悪の価値の提示をおろそかにしていることか。「命の大切さ」などという日常レベルのモラルを訊いているのではない。土地を共有しあう者同士が寄りよい社会を作るために胸に抱くべき価値観を問うているのである。

例えば、米国はそれを自由と民主主義においている。日本も異存はないだろうが、民主主義の詳細な定義は各国によって差異があってよいのだ。日本が打ち出す民主主義を、政治家の口から聞いてみたい。それは国家ビジョンと通じる価値である。ゲーム理論にのっとった政局に関係する報道ばかりを聞かされる国民の身になってはいかがか。この基本を示せぬ与党は、下野すべし。

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2008/08/28

ペシャワール会の伊藤さんの訃報:その2 タリバンを批判する

 昨日のペシャワール会の伊藤さん殺害について、まずタリバンを批判したい。武器を持たず、現地で失言放言なく、復興のために貢献してきた人を殺害したのはタリバンなのである。彼らへの批判はもっとあってよいだろう。アフガニスタン政府を力不足だとか、日本の外務省が無能だとか言うのは、批判の順番で言えば後回しでしかるべきである。

 殺害目的が不明だが、このような事件を起こすタリバン側にも痛手があったと思いたい。日本を含め国際社会の反発を招き、従来にも増して批判されるのであるから。フランスなどはタリバン制圧のために増派すると表明しているが、こうした軍事派遣する国に正当性を持たせる事由となった。「鬼は外、福は内」みたいに外国人を手当たり次第に殺めようとするタリバンは、偏狭なる心と残虐なる手法で現地社会を支配しようとしている。その意思をのさばらせてはならない。

 本件は日本では大きく取り上げられているが、現地では小さなことであり、ほかの西側先進諸国ではもっと小さく受け止められているだろう。悔しいがそれでいいようにも思う。なぜなら、ここで騒ぐことは、タリバンの“功績”を拡声器で言いふらすに近いことだからである。報道するなら、タリバンの暴力への批判に力をおいたほうがいい。

 もしかすると、ご本人は覚悟をして現地滞在しておられたのではないか。誰もやらないことにこそ意義を見出して着任するほどの人なのだ。それも、長期間かけて農業支援をするつもりだったようだ。

私自身の話で恐縮だが、家族とは何かあっても私を探さない、取引しない、それが私の本望だから、と合意してある。伊藤さんのご家族には、現地復興のため立派な仕事をしたと、胸を張ってご遺体を迎えて差し上げてほしいと思う。

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2008/08/27

ペシャワール会の伊藤さんの訃報:その1 今回の事件について

 アフガニスタンのジャララバード近郊で、ペシャワール会の伊藤さんのご遺体が発見されたと、27日午後3時過ぎ(日本時間)に報道があった。残念の上にも残念な結果である。

心からご冥福をお祈りする。

 ジャララバードはアフガニスタンの中でも最悪の危険地帯のひとつだ。テロリストがパキスタンと自在に行ったりきたりする回廊にあり、私が知るNGOたちは、パキスタンに駐在員を移したり、首都カブールから動かず地方へは電話で指示を飛ばすなどしていた。よほど伊藤さんは自信があったのだろう。現地になじみ、スキルをもって現地に貢献していた人が意に反して殺害されるとは、きわめて痛々しい。また、明日はわが身かと恐怖感を持っているNGOや国連職員、コンサルタントも多い。この事件の影響は計り知れないが、世界で最も危険な地域のひとつであるアフガニスタンで仕事をしている国際支援に携わる人々は、外出をますます控えるようになり、活動が不活発になるだろう。国際支援業界全体の痛手である。

 2004年の4月にイラクで人質事件があった際、準備不足で現地入りしたことを批判したことから、私は不本意にも人質批判の急先鋒のように言われた。当時、私が指摘したのは「準備不足で現地入りは無謀」であり、「(非政府か政府側か、親米か反米かといった)思想で安全を確保できない」だ。

前者のポイントについて。準備には物理的な装備もあれば、情報や知識、心構えもある。それらを備えるのがプロフェッショナルなのである。紛争地での支援活動は、会計費目には表れないかもしれないが、目に見えないコストが確実に支援活動に負荷を与える。日ごろの活動時間を、現地の政府から綿密な情報を入手できる体制を築くために使ったり、サイトの見回りを一時的に取りやめて事業の進捗をモニターできなくなったり(事業の質が落ちる可能性あり)、そんな中でも平常心を保てるように睡眠、栄養補給をとり、冗談を言い合って良好な人間関係を保ったり。パキスタン、イランを含めて南西アジア全体が荒れているときに、自分の周辺だけ真空地帯のように安全でいられる保証などないのだから。

後者のポイントについて。現地のタリバンやアルカイーダは思想をいちいちチェックして「こいつは反米だから攻撃しないどこ」など、するとは思われない。もしそうしてもらえているなら、それはタリバンやアルカイーダと面識があるということだから、まず考えられない。強盗や金目的ならばなお一層、思想は不問だ。今回の殺害目的は不明である。

 米軍の空爆によって民間人の犠牲が出ているのは確かに、残念なことである。だが、米軍がいなかったら、この地域はタリバンの根城として確立され、世界中に麻薬がさらに流れ、パキスタンの政治を自在に操り、イラン、中東、北アフリカという武器輸出の回廊がいっそう活発化し、世界中大混乱に陥る。米軍がいればこそ、この程度で済んでいるのかもしれない。タリバンは米軍による被害を反米の名目に使っているが。

米軍も空爆ではなく、陸上部隊の投入にもっと力を入れるほうがこれからは大切かもしれない。ただ、更なる犠牲が発生する危険性をはらむだけに、米軍もISAFもそんなことはわかっているのだろうが、二の足を踏んでいる。

アフガニスタンに対しては、軍事力だけではなく、国の復興を促進する経済、政治、社会面の大規模かつ長期的な人知、予算の投入が必須である。西側先進国の知恵を受け止められる世代の育成が実りを得るまで、長期的な支援が必要なのである。そこまでの気概が、ドナーたちに問われているように思う。

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2008/08/23

グルジア戦争

87日から始まった、グルジアとロシアの戦争に関連して、20日に急遽、駐日大使が笹川平和財団において講演会を開いた。ポイントを下記のように集約した。

     国際法を犯して主権国家グルジアの領土の保全と国境線の維持を破ったのは全くロシアであり、新しい多極化世界の最強国になろうとしている。

     民主主義と自由を信ずるNATOへの挑戦だ。われわれの軍事行動はそれに対する反応だ。

     ロシアは、NATOがどれだけ耐えられるか、テストをしている。

     ロシアはカスピ海の資源を欧州に流すグルジアの重要性をわかっている。20~30億ドルのインフラ投資をすべて破壊し、またグルジアの軍事命脈を絶とうとしている。

     2000年初めに、南オセチアの民族、オセット人の3分の2である50万人はロシアによってすでに追い出されており、本来の二つの民族はそこにいない。残った住民3万人にロシアはロシアのパスポートを発行。その"ロシア国民"を守るための進軍だと、ロシアは説明している。ロシア国民になりたいという民意自体がロシアによって仕組まれたものだ。

     グルジアは西側と東側のダムである。

     ロシアとは16年間交渉してきた。ロシアのグルジアの村落攻撃は今年3月から始まっていた。

     アブハジアにOSCEが入っているが、ロシアも同様に軍事モニターを派遣してきている。双方の軍事監視団につながりはない。

     コソボの独立は民族独自の意思を反映しているが、南オセチアはロシアの作戦によるロシア併合である。セルビアが親西側でありOSCEの軍事監視員も平和維持軍も受け入れていた。グルジアとコソボとは全く違う。

     Red CrossUNHCRも入れないため被害状況は不明だが、おそらく12万人の国内避難民と数百名の死者が出ている。

     ロシアの第58軍が、義勇軍(paramilitary)を支援する形で侵略している。

     ロシアはグルジアとの対話を一切拒否。OSCE、UN事務総長の提案を無視してきた。交渉には時間がかかるだろう。

     グルジアはNATO加盟を許されるだろう。

     ロシアの次の狙いはウクライナ。

     グルジアによるツヒンバリ攻撃が戦火を拡大したと(記者が)言うのは、後知恵で思えば、そうかもしれないが。

大使は筋の通った話をしている。国際法に照らして真偽を述べていること、民意の反映のからくりに言及していること、に正論を感じさせる。NATO諸国は動くだろう。大使は現大統領のスポークスマンをされた人だけあり、ゆるぎない声で正論を貫く。

さて、いつものことながら、日本では「解説」あって「主張」はない。ロシア関係でぬきんでて著名な某ジャーナリストは、この講演会に際しても解説者として前に出ることを望まず、一ジャーナリストの立場にあえてこだわったと聞いた。旗色鮮明にすることを望まないのは、そのほうが今後も情報を取りやすいからなのだと推察するが、この有名人が言わないとすると、誰がロシアを批判するのだろう?いつロシアを批判するのだろう?何のためにジャーナリストをしているのだろう?

取材をするに当たり、旗色鮮明にしたほうがむしろ情報をとりやすいことがある。相手の痛いことを衝く内容、誰も気がつかなかった隙間を衝く内容がそれである。すると、相手は反論せざるを得なくなり、取材者を懐に入れようかという動機に駆られる。今回の戦争での立場表明をしないのは、この場合に相当しないと判断したのだろうか。

日本の一部有識者が、グルジアの現政権がアメリカの支援を得て樹立されたとか、西側の支援を当てにして生きているとか、NGOが影にいるとか、「ロシアもグルジアもどっちもどっちだ」みたいなことを言う人までいる。だが、そういう話は庶民レベルでは面白いが外交をつかさどる立場にあるものは歯牙にもかけない話だ。出自を問わず、正当な手続きで選ばれた政府を政府と認めるのが国際社会のルールだ。こうした記事が「主張」として出てくることは、読者の目を曇らせるようで、一方怖い気がするのである。

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2008/08/18

現地報道と学術論文の間

カメラなど映像と通信機器の普及により、その場にいる誰でもが、現場報道できる時代になった。報道はスピードを競うものゆえに、映像を撮る報道記者はより一層危険地帯に入らざるをえない。他方、映像ではなく文字で主張するジェーナリストは、「こんな事件がおきた」「誰がこう言った」などの事実を伝えるものと、解説と分析を行うものとにおおむね分けられる。私は後者のタイプだ。後者のジャーナリストの役目は、現実がおきてから学術論文が書かれるまでのタイムラグをつなぐことにあると私は思っている。

紛争など国際社会における重大な事実がおきて後、学術論文が生まれるまでには、少なくとも3,4年はかかる。それまでの間、ジャーナリストが、現地の紛争がどんな背景で、何が直接原因で、関係者は誰で、それに対して国際社会がいかに反応して、現地がどんな影響を受け、どんな克服努力がなされてきたか、などを分析してメディアを通じて解説するのである。学術論文はこの段階のジャーナリズムを随分と参考にするため、社会的責任は重くなる。また、ジャーナリズムでの活気が学者の知識欲をかきたて、学術論文を生むインセンティヴとなることから、ジャーナリストは健筆であらねばならぬ、と思う。

一方、思う。ジャーナリストを「人・組織のアラを探し出して騒ぎ立てる存在」とみなす学術関係者は、真のジャーナリズムの社会におけるポジションを認知していないからかもしれない。彼らが参考にする学術論文は、およそ海外発行のものであるが、その学術論文自体が一部源泉をジャーナリズムに求めていることを、学者自身が知らない。

無論、ジャーナリズムにも事実の認識不足、誤認があることは承知している。たとえば、シエラレオネの紛争を「ダイヤモンドをめぐる紛争」と報道したBBCなどの報道をそのまま鵜呑みにした学者(とは言いがたいレベルだったが)が日本で原稿執筆や講演などの出番を得ていたのには、苦笑した。ダイヤモンドの紛争ならば、分け前を巡って仲間内の争いが絶えず起こっていたはずだ。俺のが少ない、あいつのが多い、と。しかし、内戦中の13年間、組織は一応保たれ、停戦合意に応じるリーダーもいた、その命令に従う兵士たちがいた。アジアの歴史では頻繁に起きていた粛清もなかった。

悔しがるべきは、残虐な現場の報道ばかりがなされ、兵士らの声に耳を傾けなかったことによる、機会の損失である。ジャーナリストの社会的役割は、一般人、両側の兵士らの声を偏見なく聞き、社会に発することにある。それが、特に当事者である兵士らの悲痛な思いを国際社会が理解し、彼らにあっては自省する契機となる。和平交渉のテーブルに着くインセンティヴともなる。そこまでの影響力がジャーナリズムにあることを、ジャーナリスト自身が自覚していないことを、はなはだ残念にも、腹立たしくも思う。「内戦終結のために外国の軍隊の力を借りざるをえなかったことが悔しい」と唇をかんだ暫定政府の文官、元ゲリラ兵士らの無念さには、共通して、自分たちには自力で問題解決ができる力がある、というプライドがあった。もっと前にジャーナリズムの正当な機能があったなら、と痛恨の思いがした。私は人込み掻き分けてでも国際舞台に出て行かねばならぬ、と思うに至った一件であった。

私の原稿が日本語でばかり発せられ、英語で書かなかったことへの贖罪の念がある。私は社会的使命を十分果たしているか? 自問し自責の念に駆られる日々である。

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2008/08/11

社会における自分の位置を認識してこそ支援ができる

 国際支援にあこがれる人の相当数が、世の中には「人の役に立つ仕事」と「人の役に立たない仕事」の2種類があると思っている。前者は「現場に行って直接困っている人を助ける仕事」で、もちろんこのときの「現場」とは、紛争地や、貧困層が支援を待っている地域を意味する。そして、「人の役に立たない仕事」は今ご自分が就いている企業勤めの仕事を意味する。現地に行っている人間をことさらに崇拝し、現地に行かない自分を卑下する。そのキーワードは、「現場主義」だ。「現地」だけが「現場」だと思っているのである。

こんな仕事はやめて現地でこんな支援活動をやりたいと、訴える青年に会うたび、社会における自分のポジショニングを再認識してはどうかと勧めている。現在のご自分の仕事があればこそ、現地で支援活動ができる人がいるのだから。それに、大多数の国では既に結構な数の高学歴者がいて仕事を待っている。農業もITも建設も医療も。現地で必要なのは、日本の青年の知識よりも、本当は資金だったり、日本で現地の情報を広めてくれる存在だったりする。現地の知識層は、仕事がないから海外へ出稼ぎに行かざるをえないわけで、日本から資金が届けば自国にとどまっていられるかもしれないではないか、と。

社会は3次元のジグゾーパズルみたいなものだ。個々人が個性を立たせてこそ、社会を完全形に近づけることができる。サッカーと同じである。同じパーツは二つとないから、よく目を凝らせば、自分の形にあった穴、つまり自分のポジションが見えるはず。「人の役に立つ仕事」をめざして皆が同じパーツになっていたのでは競争力がない、それこそただの「パーツ」だ。社会にとっても、損失だ。自覚があれば、現在のポジションでもっと生産性を高められようものを。

 

 現地で外国人に比較優位がある活動とは、複雑な現地社会の調停、仲介だったり、紛争で一時的に人材が払底したときのつなぎ役だったり、ドナー調整だったりする。そういう役でも、日本の自分の出自との関係維持は永続的に必要だ。日本国内での知識、資金の補充、世論喚起がご自分の持続的な資源なのだから。「日本にいる自分」を肯定してこそ、現地は心ある日本人だと歓迎する。

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2008/08/05

紛争大流行の時代でも、第一の知識は学問の府から

 国際協力は現実の課題を解消していく仕事である。その任に当たるものは、まず実践的な知識と持続的な知識欲を持ち合わせていなくてはいけない。それは、国際開発でも紛争予防、平和構築でも同じだ。

 仕事上必要な知識と技術は、実学である。学問のいいところは、問題の核心を発見しやすくしてくれることだ。経済(マクロ経済、財政学、金融、統計学、会計など)、行政学、司法、保健、医療、通信工学あたりに、高い需要がある。多くの人はOJTで仕事に必要な知識と技術を修得して、複数の学問的背景を持つ優秀な人材に育っていくものだが、その人の根幹を成す第一の学問に来るべき学問、つまり学術機関でなければどうしても納めきれない学問が、これらなのである。知るべき領域が広く、その分野の歴史が長いため、独学がなりがたく、まとめて学んでおく必要があるからだ。独学とOJTで習得できることは、第二の学問に設定すればよい。

  ところが、いまや優秀な人材が、「紛争予防」「平和構築」を大学、大学院で学ぶ。とくに政治的な事象を追う紛争予防を海外の大学・大学院で収める若い人たちに、ずいぶんと会う。

  しかし、紛争予防を学んで、果たして、現実にどんな仕事ができるだろうか。紛争予防は、理屈ではなく何かの実践プログラムがあって成り立つ効果だ。

  紛争は現象であって、それ自体が問題というわけではない。紛争を起こした直接原因、誘因があって、その場の人間の知恵では収拾できなくなって紛争は起きる。私たち外国人の役目は、問題の核心を見出し、因果関係を解きほぐし、一つ一つ解決策を提示することなのである。それには、どうしても、学問を学問の府で修めておく必要がある。

  学術研究者として生きる人も、同様。政治学中心の研究論文が多くなり、経済学の論考があまり見られない。復興の現実的な計画を国レベル、コミュニティレベルで考えられるのが経済学なのだが。国際機関に勤める経済系の某人は言う。「紛争という現象を追いかけて作成した“学術論文”は、流行語を張り合わせた浅薄な内容だ」と。経済学に基づく紛争予防を、世は求めている。

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