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2009/11/13

いい言葉

日本人のスポーツ選手が、「子どもたちに自分の経験を伝えたい」などと引退に当たって述べますが、それを聞いた外国人の知人が、「彼女は誰の子どもに技術を教えたいのか」と私に訊ねました。「次世代の、と言う意味でしょう」というと「ヘエー」という鈍い反応でした。

日本人は「子ども」が好きです。

「可哀相な子ども」と聞くと、すぐに財布を開く日本人。
マニラのスラムに行けば、日本人の訪問者には子どもの話を、カナダ人の訪問者には病院の話を、北欧の訪問者には保健の話、アメリカ人には地方行政の話を話してくれます。そう、寄付を募るために使い分けているだけのことです。

どこ国でもどの組織でも、寄付を集めるための「いい言葉」は必要で、日本では「子ども」が利用されています。「いい言葉」とは、「便利な言葉」と言う意味です。

でも私は、次世代を育てる大切さと、育てている現役のお母さんお父さんたちを支える仕組みは、絶対に必要だと思っています。日本の社会保障制度ではここが手薄なのに、なぜか、寄付行為となると「子ども」に弱い・・・。

国際NGOの中には、あえてポスターには明るい笑顔の子どもの顔写真を使うところがあります。もちろん、涙目の子どもの写真を多用する組織も。使われている写真に、その組織の姿勢が現れていて、興味深いです。

日本人も途上国に「いい言葉」を浴びせています。

それは「貧困」

インドで現地の記者に「貧困削減のために日本がこの事業をします」といったところ、記者が怒り出し、「貧しい人はいるがそれは国内問題だ。外人に指摘されて喜ぶインド人などいない」と反論してきました。

貧しいことは本人たちには恥ずかしいことだと、アマルティア・センが述べています。私たちは自分が良いことをしていると酔いしれているに過ぎないのです。

ですから、受益者たちが「貧困削減事業」などと言うときには要注意。プライドを捨てれば、支援が手に入ることを知っている人たちです。カンボジアでそういう政府関係者に会って、これはいけない、と思ったことがあります。

「貧困削減」も「可哀想な子ども」も、日本の納税者対策、募金集めの言葉だと割り切ったほうがいいと思います。

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コメント

結構、重い文章、とても良かったです。知人ではありませんが、女性でこういう文章は面白いです。一人の作家を見つけたようです。

初めて拝見させてもらったので、良くわかりませんが、ソマリアの今後のことなど記したものはありませんか。族長さんの話はありましたね。

投稿: カワウソ | 2009/11/20 15:21

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