秋刀魚
こんにちは! 吉田鈴香です
自衛隊の駐屯地取材で風邪を引いて、それが長引いて今日に至っています。ブログも、こんなにご無沙汰してしまいました。
熱は全くないのでインフルエンザではありませんが、咳き込む日が数日あり、在宅しました。シルバーウイークなど他所事でした。
その間、絵を架け替えたり、机の周りを整理したりして、時間を過ごしました。「なぜこんなものを今まで手元においていたのだろう」と、思うような書類や写真が出てきて、不愉快になったりして。
今日は久しぶりにスーパーへ出かけました。
秋刀魚の季節になっていました。氷に秋刀魚がつかっていて、買い物客が自分で品定めをして袋に詰める趣向になっていました。
ああ、秋刀魚ねえ~と思っていると、ある老女が秋刀魚を手づかみして目元近くに寄せ、気に入らないのか、ドサリと氷が張る箱に“捨てて”は、また底のほうへと手を突っ込むことを繰り返していました。
哀れ、秋刀魚。
身は傷つき、ヘニョヘニョになっているのがたくさんある。
3割以上はもう売り物にならないなあと、秋刀魚を買う意欲が消えてしまいました。
以前にも何度もこんな光景を目にしていますが、共通点は、そうする買い物客は全員、視力が良くないようでした。どれをみても、たぶん、良い秋刀魚か悪い秋刀魚か判断できないのではないでしょうか。
老女を見ると、身なりからそれ相応の暮らしをしているのが分かります。でも、他の人も食べる魚を、投げて元に戻すしぐさは、まともな教養がないことを感じさせます。老女の服は跳ねた水で少しぬれています。この人にも昔思いを寄せてくれた人だっているだろうに。躾てくれた親だっていただろうに。
たぶん、この女性の家には欠けた茶碗がたくさんあるだろうな。それも、結構な銘柄の茶器、食器が。ふちが欠けたりヒビが入ったりしているブランド食器に、こうして品定めをした秋刀魚を乗せて食べるのね。
私の経験では、モノの扱いや茶の入れ方、挨拶は、家庭教育に起因しているところが大です。老いてそれが前面に出たとき、その人が取り返しのつかない日々を送ってきたことを周囲に知らせます。
そう思って歩き始めたとき、ふと、ひらめいたのです。
袖机に十数年前の写真と切抜きを入れたままにしていた自分に腹が立った理由が何か、みえたのです。私は、取り返しがつかない日々を送ってきたのではないか。進歩のない毎日を過ごしてきたのではないか。あの時、直感でそう思ったのです。
スーパーの買い物袋を両手に、私は猛烈な勢いで帰宅しました。もう1分たりとて無駄にしてはならない。無駄にすごしていい時間(余裕)を先に食べてしまったのだから。
| 固定リンク
「雑感」カテゴリの記事
- ひゅうひゅうという風の音(2010.03.07)
- 個性(2010.03.05)
- 100㎡の部屋をシャープペンシルで塗りつぶす(2010.03.04)
- 「理論」(2010.03.03)
- さくらや閉店(2010.03.01)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/520148/46331758
この記事へのトラックバック一覧です: 秋刀魚:


コメント