こんにちは!吉田鈴香(Suzuka Yoshida)です。
日経ビジネスオンラインの原稿が公開された今週火曜日、ある人を訪ねました。
昨年ある会合で知り合った男性です。
よくボケをかます方で、私が質問をしてももっぱら駄弁を振るう。折を見ては引き戻そうとしますが、またまたわき道へそれる。
私は適当にしゃべらせることにしました。そのうちこの方も自分の駄弁に疲れて、聴く側に回るだろう、と思って待つことにしたのです。体力では私のほうが上回っているのだから。
その時が来ました。
「吉田さんは底知れない人だ」
と、真顔で私をじっと見ました。
私も見返しました。
どれほどかわかりませんが、双方の息遣いも聞こえぬほどの沈黙が続きました。
沈黙を破ったのは私でした。
「20代のころ、同僚から『スズカは限界が見えない』といわれました。また、先週は以前インタビューしたことがある女性から、『スズカさんは人の話を一杯聴いてきたとありあり分かる顔をしている』といわれました。○○さんは、『スズカさんは一本気であり一本木だ。独立した生態系を持って大きくすっくと立っている。小さな木は集まって森を作るものだが』といってくれました。今日は『底知れない』という言葉をいただいて、私は嬉しいです。どれも私が何より好む褒め言葉です」
この方は「底知れない」の意味を語ってくれました。
「人は皆、自分の得意分野を守って生きている。分野が細分化されている現代では、自分を守るために自分の領域を囲い込む。なのに、鈴香さんはあらゆるテーマをあらゆる角度から書いている。底が知れない。幅も見えない。それに、文章は理詰めなのに会って話すと、わたしを非難することなく、じいっと聴く。わたしをよく見ていることが分かる。わたしは鈴香さんにどこかへ連れて行かれるような気持ちになってくる」
ようやく「連れて行かれる」気になったこの方と、話ができました。
そうか、どこに連れて行かれるか分からないけどどこにでも行こうじゃないか、と思ってもらえる人がいいインタビュアーなんだな。
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